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アレルギー性鼻炎 Allergic rhinitis

アレルギー性鼻炎(Allergic rhinitis; AR)は、鼻の粘膜で起こる即時型アレルギー疾患です。主な症状として、発作的に繰り返されるくしゃみ水様性の鼻水鼻づまりの3つが挙げられます。その背景には、アレルギー素因やIgE抗体値の上昇、血液中の好酸球の増加、粘膜の過敏性亢進などが関わっています。

アレルギー性鼻炎の分類と特徴

アレルギー性鼻炎は、大きく分けて通年性季節性の2つのタイプがあります。

通年性アレルギー性鼻炎 主にダニやハウスダストが原因で、一年中症状が見られます。
季節性アレルギー性鼻炎 特定の季節に飛散する花粉が原因で、一般的に花粉症と呼ばれます。

特に花粉症の方は、高い確率でアレルギー性結膜炎を併発し、目のかゆみや充血を伴うことがあります。

重症度に応じた治療の選択

治療の中心となるのは、即効性が期待できる鼻噴霧用ステロイド薬です。症状の重さに合わせて、以下のような薬剤を組み合わせて治療を行います。

重症度 症状のタイプ 主な治療薬
軽症 全般 第2世代抗ヒスタミン薬、遊離抑制薬、Th2サイトカイン阻害薬、鼻噴霧用ステロイド薬のいずれか
中等症 くしゃみ・鼻漏型 第2世代抗ヒスタミン薬、遊離抑制薬、鼻噴霧用ステロイド薬のいずれか(または併用)
鼻閉型 抗ロイコトリエン薬、抗プロスタグランディンD2・トロンボキサンA2薬、鼻噴霧用ステロイド薬など
重症・最重症 くしゃみ・鼻漏型 鼻噴霧用ステロイド薬第2世代抗ヒスタミン薬の併用
鼻閉型 鼻噴霧用ステロイド薬に抗ロイコトリエン薬などを組み合わせた治療

※日本鼻アレルギー診療ガイドラインを参考に作成

根本的な体質改善を目指す舌下免疫療法(SLIT)

舌下免疫療法(SLIT)は、原因となるアレルゲンを少量ずつ体内に取り入れることで、アレルギー反応を徐々に和らげていく治療法です。これまでの対症療法とは異なり、長期にわたる症状の抑制や、根本的な治癒が期待できます。

日本では、スギ花粉症ダニ通年性アレルギー性鼻炎に対して保険適用が認められています。当院ではView39という39種類のアレルゲンを一度に調べられる検査を実施しており、原因を特定した上で治療を開始できます。

  1. 原因抗原の特定
    血液検査により、スギまたはダニがアレルギーの原因であることを確認します。
  2. 治療開始(1週目)
    シダキュア®やミティキュア®などの薬剤を、少量から服用し始めます。
  3. 維持期の服用(2週目以降)
    2週目からは決まった維持量を毎日、舌の下に置いて服用します。
  4. 継続と経過観察
    即効性のある薬ではないため、3年から5年程度の継続的な治療が推奨されます。

当院で治療を継続されている方の多くは、花粉シーズン中も抗アレルギー薬を内服せずに快適に過ごされています。当院は日本アレルギー学会専門医が診療を行う相談施設ですので、お気軽にご相談ください。


<画像出典:鳥居薬品>

重症花粉症への新たな選択肢:オマリズマブ(ゾレア®)

既存の治療では十分な効果が得られない重症・最重症の季節性アレルギー性鼻炎に対し、オマリズマブ(ゾレア®)による抗体療法が可能になりました。アレルギー反応の元となるIgEに直接結合し、炎症の連鎖を根本からブロックする画期的な治療薬です。

当院の診療方針について

当院では、日本アレルギー学会の指針に基づいた適正な医療を提供しています。そのため、学会で推奨されていない以下の治療は行っておりません。

  • ステロイド注射(ケナコルト®など):副作用のリスクがあり推奨されません。
  • ヒスタグロビン注射:現在のガイドラインでは標準的治療とされていません。

専門医として、エビデンスに基づいた安全で効果的な治療を提案いたします。

関連情報リンク

行政による花粉症対策と普及啓発

政府は2023年、花粉症問題の解決に向けて「初期集中対応パッケージ」を決定しました。これに伴い、厚生労働省や環境省から適切な回避行動や最新の対策についての情報が公開されています。

花粉症について(厚生労働省・環境省リーフレット)

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