予防接種(定期・任意)Immunization
予防接種の意義
予防接種とはその感染症にかからないようにするために、病原体あるいは細菌が出す毒素の病原性や毒性を弱めたり、なくしたりしたもの(ワクチン)を接種することです。予防接種を行い、あらかじめ免疫をつけておくことにより、実際の病原体が体の中に入ってきたときにも免疫の力によってその病気にかからずにすむということになります。
予防接種をすることには2つの意義があります。一つは予防接種を受けた人はその感染症から守られます。これを個人防衛といいます。もう一つは多くの人が予防接種を受けることで社会全体からその感染症が減り、結果的に予防接種を受けていない人も感染症から守られます。これを社会防衛といいます。予防接種を積極的に受けることは感染症から国民全体を守ることになり、健康の維持・推進を図ることにつながります。特に最近のグローバル化を考えれば、国家のリスクマネージメントとしても大きな意義があります。
定期接種と任意接種
乳幼児期に接種するワクチンには、法律で定められ無料で接種が可能な定期接種と、個人負担となる任意接種があります。しかしどちらのワクチンも感染症予防の観点からすれば接種すべきワクチンにかわりはありません。また1歳までに接種するワクチンはとても多いので、できるかぎり複数のワクチンを同じ日に接種(同時接種)する方がスケジュールも立てやすく、接種し忘れも少なくなると思われます(スケジュール案をご参照下さい)。同時接種による副反応、免疫の獲得状況などにデメリットは認められておりません。
定期接種
- B型肝炎ワクチン(2か月~3回接種)
- ロタウイルスワクチン(2か月~2回または3回接種)
- ヒブ(Hib)ワクチン(2か月~4回接種)
- 肺炎球菌結合型(PCV13)ワクチン(2か月~4回接種)
- 四種混合(DPT+IPV)ワクチン(2か月~4回接種)
- BCG(5か月~1回接種)
- 日本脳炎ワクチン(6か月~4回接種)
- 麻しん風しん混合(MR)ワクチン(1歳~2回接種)
- 水痘ワクチン(1歳~2回接種)
- ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(12歳~2回または3回接種)
- 二種混合(DT)ワクチン(11歳~1回)
任意接種
- おたふくかぜワクチン(1歳~2回接種)*区民の方は助成があります
- インフルエンザワクチン(13歳未満はシーズンごとに2回接種)
乳児期のワクチン接種スケジュール案
* 当院では小児科専門医である院長が接種を行い、効率的なスケジュールをご提案します。
<参考資料>
①日本小児科学会ウェブサイトより
* 日本小児科学会が推奨する予防接種キャッチアップスケジュール
②健やか親子21ウェブサイトより