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今季2025のインフルエンザ流行について

[2025.10.04]

 東京都は10月2日、季節性インフルエンザの流行シーズンに入ったことを公開しました(インフルエンザの流行シーズンに入りました 感染予防の徹底を|10月|都庁総合ホームページ。これを踏まえ、クリエーターの一員である日経COMEMOに最新記事を投稿しましたので一部をご紹介します(全文はこちら→インフル流行報道に思うこと~目立つ見出しやありきたりのコメントに惑わされてはいけない~|水野泰孝 Global Healthcare Clinic)。

 9月下旬頃から当院でもインフルエンザと診断した患者さんが平均以上に散見されるようになりました。とは言え、当院では海外渡航者の専門診療を行っていることから年中インフルエンザの患者さんは受診されます。日本では冬季に流行するイメージが強いインフルエンザですが、季節が逆の南半球では日本の夏季に流行があり、東南アジアなどの熱帯地域では一年中発生がみられるためです。現地で感染して帰国すれば、同居家族がいれば家庭内、体調不良なのに学校や職場に行けばその集団で感染は拡がります。国境を越える人たちの行き来や多くの人たちが集まるイベント開催(大人数の集会 - Wikipedia:マスギャザリング)などにより拡がる規模はさらに大きくなると考えられます。
 今回の流行も夏休みの海外渡航者の増加夏休みの海外旅行者、前年比2割増 賃上げで欧米人気戻る - 日本経済新聞)、国内での国際イベント(世界陸上:東京2025世界陸上競技選手権大会(東京2025世界陸上):日本陸上競技連盟公式サイト - Japan Association of Athletics Federations)も要因として考えられるのかもしれません。ちなみに日本でラグビーW杯(ラグビーワールドカップ2019 - Wikipedia)が開催された2019年は開催後の9月頃から都内でインフルエンザの流行が始まりました都内でインフルエンザの流行開始|東京都:2019年09月26日福祉保健局)。

ー中略ー

以上を踏まえた私の見解です。
① 8月~9月の夏休みシーズンで海外渡航者が増加し、帰国後に発症したインフルエンザ患者から関連する集団へ感染が拡がっていった。
② 9月には世界陸上のような国際イベントの開催もあり、中には持ち込まれたインフルエンザも多かったかもしれない。参考として2019年のラグビーW杯の時も都内では9月から流行の兆しがみられていた。
③「暑かったから」「インバウンドが多いから」というのは今年に限ったことではなく、発端となるイベントや行事などから拡散していったと考えるのが妥当と考える。すなわち8~9月の海外旅行者数の増加、9月に開催が多い学校行事、9月に開催されたマスギャザリングイベントなどが最も考えられる要因ではないだろうか。

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