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'26/4 麻しんの発生状況について

[2026.04.22]

現在、国内では麻しん(はしか)の報告数が急激に増加しており、2026年4月15日時点で299例の報告が確認されています。これは前年同時期の約3.8倍という極めて深刻な流行状況です。特に10歳代から20歳代の若い世代を中心に感染が広がっており、通勤や通学など、公共交通機関を利用する日常生活の中で感染するリスクが高まっています。千代田区の麹町駅近くに位置する当院では、感染症専門医および感染症指導医の資格を持つ院長が、医学的根拠に基づいた高度な診療を行っております。私たちは、この感染力が非常に強い麻しんに対して、正確な情報提供と迅速な対応を行うことで、地域のみなさんの健康を守る体制を整えています。麻しんは、免疫がない方が感染者に接触するとほぼ確実に発症する病気ですが、適切なワクチン接種によって防ぐことが可能です。千代田区や四ツ谷駅周辺で、ご自身の抗体価やワクチンの接種歴に不安を感じている方は、お早めにグローバルヘルスケアクリニックまでご相談ください。丁寧なカウンセリングを通じて、お一人おひとりに適した感染予防策をご提案いたします。

麻しん(はしか)の症状について

麻しんの症状は、ウイルスに感染してから約10日から12日間の潜伏期間を経て現れます。発症すると、主に以下の4つの段階を経て症状が変化していくのが特徴です。

カタル期(発熱と風邪のような症状)

最初は38度前後の発熱、せき、鼻水、結膜充血(目の赤み)など、一般的な風邪と見分けがつかない症状から始まります。しかし、この時期が最も周囲への感染力が強いため、注意が必要です。数日後には、口の粘膜にコプリック斑と呼ばれる白い斑点が出現することがあります。この斑点は麻しんに特有の症状であり、診断の大きな決め手となります。

発疹期(高熱と全身の発疹)

一度熱が少し下がった後、再び39度から40度を超える高熱が出ると同時に、赤い発疹が全身に広がります。発疹は耳の後ろや首周りから始まり、顔、体幹、手足へと広がっていきます。この時期は全身倦怠感が非常に強く、食欲不振や脱水症状を伴うことも珍しくありません。高熱が数日間続くため、体力も著しく消耗します。

回復期

熱が下がり始めると、発疹も徐々に消えていきます。発疹が消えた後には、茶色い色素沈着がしばらく残ることがありますが、これも次第に目立たなくなります。ただし、麻しんによって免疫力が一時的に低下しているため、細菌感染による合併症(肺炎や中耳炎など)が起きやすい時期でもあります。完全に体力が戻るまでは、慎重に経過を見る必要があります。

注意すべき重症化のサイン

麻しんは単なる「子どもの病気」ではなく、大人がかかると重症化しやすい疾患です。以下のような症状が見られる場合は、肺炎や脳炎などの合併症を併発している可能性があるため、速やかな医療的判断が必要です。

  • 激しいせきや呼吸困難がある場合
  • 意識が朦朧としている、または強い頭痛がある場合
  • 解熱した後に再び高い熱が出る場合
  • 水分が全く摂れず、尿の量が極端に少ない場合

これらの症状の詳細については、当院の「感染症内科」のページも併せて参照してください。

麻しん(はしか)の原因について

麻しんの直接的な原因は、麻しんウイルスによる感染です。このウイルスは非常に強力で、感染力の強さはインフルエンザや新型コロナウイルスをはるかに上回ります。感染経路には、以下の3つのパターンがあります。

空気感染(飛沫核感染)

麻しんウイルスの最大の特徴は、空気感染することです。ウイルスが空気中に漂い、それを吸い込むだけで感染します。同じ部屋にいるだけでなく、換気が不十分な空間では、感染者が去った後でも一定時間は感染リスクが残ります。このため、マスクの着用や手洗いだけでは完全に防ぐことが困難であり、ワクチンによる免疫獲得が不可欠です。

飛沫感染および接触感染

感染者のせきやくしゃみによるしぶき(飛沫)を直接浴びたり、ウイルスが付着した手で口や鼻を触ったりすることでも感染します。ドアノブや手すりなどを介した接触感染も起こり得るため、公共の場での衛生管理は重要です。しかし、やはり空気感染の力が強いため、周囲に免疫を持たない人がいる場合、ほぼ確実に感染が広がってしまいます。

海外からの持ち込みリスク

現在、世界各国で麻しんの流行が報告されており、渡航者がウイルスを国内に持ち込むケースが増えています。特に予防接種歴が不明な方や、1回しか接種していない方は、海外旅行や出張の際に感染し、帰国後に周囲へ広めてしまうリスクがあります。

渡航前後の健康相談については、当院の「渡航外来」のページで専門的なアドバイスを行っております。

麻しん感受性者調査結果

麻しんの病気の種類について

麻しんには、典型的な経過をたどるもの以外に、いくつかの種類や関連する重篤な病態が存在します。これらを正しく理解しておくことは、早期発見と適切な対処につながります。

典型麻しん

先述した通り、カタル期、発疹期、回復期という一連の経過をたどるものです。免疫を持っていない方が感染した場合、約90%以上の確率でこの典型的な症状を示します。

修飾麻しん

ワクチンを過去に1回接種していたり、乳児が母親からの移行抗体をわずかに持っていたりする場合に起こります。症状が軽く、発熱が低かったり発疹が少なかったりするため、麻しんとは気づかれずに周囲に感染を広げてしまうリスクがあります。症状が不完全であっても、他者への感染力は持っています。

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)

麻しんにかかった後、数年から十数年という長い年月を経て発症する極めて稀な進行性の脳炎です。麻しんウイルスが脳内に潜伏し続けることで起こると考えられており、知能障害や運動障害が徐々に進行します。この恐ろしい病気を防ぐ唯一の方法は、麻しんそのものにかからないようにすること、つまりワクチン接種です。

その他の合併症

麻しんは全身の免疫力を低下させるため、二次的な感染症を引き起こしやすいのが特徴です。主な合併症は以下の通りです。

  • 肺炎・・麻しんによる死亡原因の多くを占めます。
  • 中耳炎・・小児に多く見られ、難聴の原因になることもあります。
  • 脳炎・・1,000人に1人の割合で発生し、後遺症を残すリスクがあります。
  • クループ症候群・・喉の炎症により呼吸が苦しくなる状態です。

お子さんの体調変化については、「一般的な子どもの病気」のページもご参照ください。

麻しん(はしか)の治療法について

現時点で、麻しんウイルスを直接退治する特効薬は存在しません。そのため、治療の基本は症状を和らげる対症療法となります。患者さん自身の免疫力がウイルスに打ち勝つのをサポートすることが中心となります。

安静と水分補給

高熱が続くため、脱水を防ぐための十分な水分補給が不可欠です。室内を適度な温度と湿度に保ち、体力を消耗させないように静養します。特に小さなお子さんや高齢者の場合は、経口補水液などを活用して、少量ずつ頻回に水分を摂らせる工夫が必要です。

症状を緩和する薬の使用

発熱に対しては解熱剤、せきに対しては鎮咳剤、鼻水に対しては抗ヒスタミン薬などを使用します。ただし、アスピリン系の解熱剤は、特定の症候群を引き起こす可能性があるため、医師の指示なしに使用してはいけません。当院では、小児科専門医の視点から、お子さんの年齢や状態に合わせた安全な処方を行います。

合併症への対応

細菌による肺炎や中耳炎を併発した場合には、抗菌薬(抗生物質)の使用が必要になります。また、脱水がひどい場合や、呼吸困難、意識障害が見られる場合は、入院設備のある医療機関への紹介と入院加療が必要になることもあります。当院では無理な抱え込みをせず、適切なタイミングで基幹病院と連携する体制を整えています。

当院の診療方針については、「診療指針」のページをご覧ください。

予防接種の料金について

麻しんの予防には、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)の接種が最も有効です。2回の接種を行うことで、強固な免疫を獲得することができます。

※2026年4月現在の料金です。在庫状況や自治体の助成制度により変動する場合がありますので、予約時にご確認ください。

項目 料金(税込) 備考
MRワクチン(麻しん+風しん) 11,550円 任意接種の場合
MMRワクチン(麻しん+風しん+おたふくかぜ) 13,200円 海外渡航者・留学者向け
麻しん抗体検査(血液検査) 5,500円 結果判明まで4-5日

定期接種や任意接種の詳細については、「予防接種」のページをご確認ください。

麻しんについてのよくある質問

Q1. 昔、はしかにかかったことがありますが、ワクチンは必要ですか?

A1. 過去に確実に麻しんにかかったことがある方は、生涯続く免疫を獲得しているため、基本的にワクチン接種は不要です。ただし、記憶が曖昧な場合や、診断が確実でない場合は、抗体検査を受けるか、念のためにワクチンを接種することをお勧めします。ワクチンを重複して受けても、健康上の大きな問題はありません。

Q2. 子どもの頃に1回接種していますが、2回目は受けたほうが良いですか?

A2. はい、2回の接種を強くお勧めします。1回の接種だけでは数%の方に免疫がつかないことがあり、また時間の経過とともに免疫が弱まる「ブースター効果の減衰」が起こるためです。現在の流行状況、特に10-20歳代で1回接種のみの方が発症している実態を考えると、2回接種を完了させることが確実な予防につながります。

Q3. 妊娠中ですが、ワクチンは受けられますか?

A3. 麻しんワクチンは「生ワクチン」であるため、妊娠中の方は接種することができません。また、接種後2ヶ月間は避妊が必要です。妊娠中に麻しんにかかると、流産や早産のリスクが高まるため、同居のご家族がワクチンを接種して、妊婦さんをウイルスから守ることが非常に重要です。

Q4. 周囲で流行していると聞きました。今から打っても間に合いますか?

A4. 麻しんの患者さんと接触してから72時間以内(3日以内)であれば、緊急でワクチンを接種することで、発症を予防したり、症状を軽くしたりできる可能性があります。心当たりがある場合は、すぐに当院へお電話でご相談ください。受診の際は、他の患者さんへの感染を防ぐため、事前に連絡の上、指定の時間にお越しいただくようお願いしております。

院長より

私は長年、大学病院の感染管理部門責任者として、感染症の拡大防止と安全な医療の提供に心血を注いできました。現在起きている麻しんの流行は、感染症の専門家として非常に危惧すべき事態だと捉えています。麻しんは、手洗いやマスクだけでは防ぎきれない空気感染という特性を持っており、唯一にして最強の武器はワクチンによる免疫です。

私たちのクリニックでは、「Patient First」の理念に基づき、単に薬を処方するだけでなく、感染症専門医・指導医としての知見を活かし、流行の背景や予防の重要性を丁寧にお伝えすることを大切にしています。麹町駅から徒歩1分という立地から、お忙しいビジネスパーソンの方も多く来院されますが、私たちはウェブ予約やキャッシュレス決済などのスマートな環境を整え、皆さんの貴重な時間を無駄にしない診療を心がけております。ご自身の接種歴が分からない、抗体があるか調べてほしい、といった小さなお悩みでも構いません。感染症のプロフェッショナルとして、誠実に対応させていただきます。不安を感じたら、どうぞお気軽に私たちのクリニックの扉を叩いてください。麹町、半蔵門、四ツ谷といった地域の皆さんの健康を、全力でサポートいたします。

当院の診療体制の詳細については、「オンライン診療について」や「アクセス」もご確認ください。

学会・専門資格等

  • 日本専門医機構認定小児科専門医
  • 日本小児科学会認定小児科指導医
  • 日本感染症学会認定感染症専門医・指導医
  • 日本感染症学会推薦インフェクションコントロールドクター(ICD)
  • 国際渡航医学会認定医(CTH® )
  • 米国熱帯医学会認定医(CTropMed® )

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