'26/2 インフルエンザB型の流行について
最近のインフルエンザB型の流行について、クリエーターである日経COMEMOの記事「インフルエンザ流行の現状」を掲載しましたのでご参照下さい。以下一部をご紹介します。
年始になって帰省による国内への拡散や海外渡航者による持ち込み事例が増加することも推測はしていましたが、明確に実感する印象はありませんでしたので、この時点では「このままB型インフルエンザの流行もなく春を迎えるのではないか」とも考えていたところでした。ところが、1月末くらいから高熱の患者さんの増加を実感し、検査でインフルエンザBの患者さんが目立つようになってきました。東京都感染症情報センターの2月1日までの集計を見ても再び波が立ち上がっています。現状では患者さんが減少している実感はありませんので、昨年のAH3のピークまではいかないと思うものの、もう少し増えるのではないかと推測しています。今回は自身の予測が全く外れてしまいました・・・。
B型インフルエンザはA型インフルエンザの流行の後に小規模な流行が起こることが通例であることがよく知られていますが、10年前の5年間の比較をみても2014年以外は明確な2峰性にはなっていませんでした。
今回B型インフルエンザが急速に拡がった理由は、拡がりやすい環境要因として、1月以降の気温が低かったこと、一部地域ではほとんど雨が降らずに乾燥していたことなどのほか、疫学要因として近年で明確なB型ウイルスの流行がみられなかったことなどが挙げられるのかと考えますが、正直なところ明確な理由はわかりません。ワクチンの効果が問われるところでもありますが、ワクチン接種をしていたことで症状が軽微であった(すべてのB型が症状が軽微であるわけではありません)、同居家族がインフルエンザであっても自覚症状から発症をまのがれたような方も散見されますので、一定の効果はみられているのではないかと考えています。
さて抗インフルエンザ薬についてですが、リアルワールドデータに基づく日本感染症学会の提言においても、B型インフルエンザに対するバロキサビル・マルボキシル(ゾフルーザ®)の優位性が示されていますので、希望される方は判断基準にしても良いかと思います。
Lancet Infect Dis . 2020 Oct;20(10):1204-1214.
✅バロキサビルによる治療効果はノイラミダーゼ阻害薬に優ります。
✅B型インフルエンザウイルス感染症に対してはバロキサビルによる治療を推奨します。
✅バロキサビルの治療投与で家族内伝播が抑制されることが期待されます。
✅バロキサビルの標的酵素(キャップ依存性エンドヌクレアーゼ)にアミノ酸変異を⽣じ たウイルスが分離されても治療効果が無効になることはありません。
検査に関してですが、鼻の中に綿棒を入れる抗原検査の他に最近ではAIがインフルエンザの確率を判定する検査も選択が可能となっていますので、ぬぐい検査が苦手な方は選択肢になるかと思います。
最近のインフルエンザ診療では新たな予防法や検査法、効率的な治療法が選択できるようになりましたので、ご自身で理解したうえで活用していただければと思います。
