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百日咳患者の増加

[2019.08.20]

 国立感染症研究所の報告によれば、百日咳患者の報告数が7月29日から8月4日までの1週間で231人で、今年の累積報告数は10,110人になっています。都道府県別の累積報告数では、東京885人、福岡652人、千葉628人、大阪555人となっています。百日咳は乳児が罹患すると重症化して死亡する可能性があるために、日本でも3か月から行う乳児期の定期接種(四種混合ワクチン)に含まれています。しかし乳児期の接種後に追加接種を受ける機会がないことから、最近では成人の百日咳が問題となっており、今回の統計に成人患者が相当数関与していると思われます。百日咳は非常に感染力が強く、防御レベルの免疫がない人たちの間で拡大する可能性があります。成人では重症化することは多くはありませんが、定期接種をしていない乳児にうつしてしまうことは非常に問題となります。

 生憎日本では成人用の百日咳ワクチンがないのですが、北米などに留学される方は先方の施設から成人用三種混合ワクチン(Tdap:日本未承認)の追加接種を要求されることが多く、当院でも多くの留学生の方々が接種をしています。この対応は成人百日咳の感染予防対策にはとても重要なことです。もちろん渡航予定のない方でもTdapワクチン接種は可能ですので、百日咳の感染予防をお考えの方はTdapワクチンの接種をお勧めします。

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