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更年期障害 Postmenopausal disorder

更年期障害は性腺ホルモンの低下に起因するもので、主に女性特有の症候群として知られています。ホルモンの低下だけでなく、加齢による身体的要因、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。日本では、閉経前後の5年間を合わせた閉経前後10年間を更年期と呼びます。この時期に現れる多彩な症状の中で、明らかな病気に起因しないものを更年期症状、日常生活に支障をきたすものを更年期障害と定義しています。

更年期障害の主な症状

更年期障害の症状は多岐にわたり、大きく分けて「血管運動神経症状」「精神神経症状」「その他の身体症状」の3つに分類されます。

血管運動神経症状 ホットフラッシュ(顔のほてり・のぼせ)、異常発汗、動悸、めまいなど
精神神経症状 情緒不安定、イライラ感、抑うつ、不安感、不眠、頭重感など
その他の症状 運動器症状(腰痛、関節痛、肩こり、疲労感)、胃腸症状(嘔気、食欲低下)、皮膚粘膜症状(乾燥、痒み)、泌尿生殖器症状(頻尿、性交障害、陰部違和感)など

更年期障害の主な治療法

治療は症状の程度やライフスタイルに合わせて検討されます。主な方法として、ホルモン補充療法や漢方薬が挙げられます。

ホルモン補充療法(HRT)

更年期障害の主な原因が女性ホルモンの減少であることから、不足しているホルモンを補う治療が行われます。有効性に関するエビデンスが高く、治療の第一選択となります。ただし、検査上の条件や有害事象の発生を考慮する必要があるため、婦人科専門医による適切な治療が望まれます。

漢方薬による治療

多彩な症状を特徴とする更年期障害に対しては、漢方薬もよく用いられます。個々の体質や症状(証)に合わせて処方を選択します。

当帰芍薬散 体力が低下しており、冷え症や貧血傾向がある方に適しています。
加味逍遥散 虚弱体質で疲れやすく、不安やイライラなどの精神症状がある方に適しています。
桂枝茯苓丸 比較的体力があり、のぼせがある一方で下半身に冷えを感じる方に適しています。

<日本産科婦人科学会 日本産婦人科医会 産婦人科診療ガイドラインより一部抜粋>

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