溶連菌感染症 Streptococcal infection
溶連菌感染症は、細菌である連鎖球菌属によって引き起こされる感染症すべてを意味しますが、よく知られているのは子どもの咽頭炎の原因となるA群β溶血性連鎖球菌(Group A Streptococcus; GAS)による感染症です。一般的な症状は高熱、咽頭痛で、頭痛、腹痛、嘔気などの症状を伴うこともありますが、一般的なかぜと異なる点として、咳や鼻汁などの気道症状が乏しいという特徴があります(Mclssacの基準)。診断するための検査として、咽頭ぬぐい液を用いた培養検査と迅速検査がありますが、一般的に診療所で行われている検査は迅速検査となります。感度は高いですが100%ではないので、臨床症状と合わせて診断を行います。検査が陽性であれば抗菌薬による治療を行います。抗菌薬はペニシリンを第一に選択して、10日間服用します。
Mclssacの基準によるA群溶連菌感染症の可能性
- 38℃以上の発熱
- 咳がない
- 前頸部のリンパ節腫脹と疼痛
- 扁桃腺腫大と白苔の付着
- 15歳未満(45歳以上ではマイナス1項目)
0-1項目:検査なし、抗菌薬不要
2-3項目:迅速検査陽性例のみ抗菌薬治療
4-5項目:検査せず抗菌薬治療
*劇症型溶連菌感染症の話題(日経COMEMO記事2024.6.24)