メニュー

脂肪性肝疾患 Steatotic liver disease: SLD

脂肪性肝疾患(Steatotic liver disease - SLD)とは、肝臓の細胞に脂肪が過剰に蓄積した状態を指す総称です。以前は「脂肪肝」としてひとくくりにされることが多かったのですが、近年、その原因や背景にある代謝異常をより精密に分類するため、世界的に新しい疾患概念である「SLD」という名称が使われるようになりました。千代田区麹町にある当院では、健康診断で肝機能の数値を指摘された方や、脂肪肝が気になる方に対して、全身の健康状態を見据えた丁寧な診療を行っております。

SLDの多くは、肥満や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病と深く関わっており、放置すると肝臓の炎症から肝硬変、さらには肝臓がんへと進行する可能性があります。私たちのクリニックでは、麹町駅から徒歩1分という通いやすい環境で、忙しいビジネスパーソンの方々もスムーズに受診できるよう、デジタル技術を活用したスマートな医療環境を整えています。肝臓の状態を把握することは、将来的な心血管疾患の予防にもつながる大切な一歩です。まずはご自身の状態を正しく知ることから始めてみましょう。

脂肪性肝疾患 Steatotic liver disease-SLDの症状について

脂肪性肝疾患(SLD)の最大の特徴は、初期段階では自覚症状がほとんど現れないことです。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、脂肪が蓄積して炎症が起きていても、痛みや強い不快感を感じることは稀です。多くの場合、健康診断や人間ドックの血液検査で肝機能数値(AST、ALT、γ-GTなど)の異常を指摘されたり、超音波検査で脂肪肝が見つかったりすることで初めて発覚します。

病状が進行し、肝臓の働きが著しく低下してくると、以下のような症状が見られることがあります。ただし、これらの症状が出ているときには、すでに肝線維化(肝臓が硬くなること)が進んでいる可能性があるため、注意が必要です。

  • 全身のだるさや疲れやすさを感じる
  • 食欲が低下し、なんとなくお腹が張った感じがする
  • 右上腹部に重苦しい違和感を覚える
  • 皮膚や白目が黄色くなる「黄疸」が現れる(かなり進行した状態)

また、SLDは単なる肝臓の病気にとどまらず、全身の代謝異常のサインでもあります。そのため、肝臓自体の症状よりも先に、動悸や息切れといった心血管系の不調として表面化することもあります。症状がないからと放置せず、定期的な血液検査で数値をチェックすることが早期発見のために極めて重要です。

健康診断の結果について相談したい方は「健康診断(赴任前・帰国後)」のページも併せてご覧ください。

脂肪性肝疾患 Steatotic liver disease-SLDの原因について

SLDが起こる主な原因は、エネルギーの過剰摂取と消費不足による中性脂肪の蓄積です。食事から摂った糖分や脂質がエネルギーとして使い切れない場合、中性脂肪として肝臓に貯蔵されます。これが過剰になると脂肪性肝疾患となります。原因は大きく分けて、生活習慣に関連するものと、特定の病気や薬剤に関連するものがあります。

生活習慣に関連する主な原因

現代の生活において最も多い原因は、やはり食生活と運動不足です。特に以下の要素が組み合わさることで、肝臓への脂肪蓄積が加速します。

  • 高カロリーな食事や、果糖(フルクトース)を多く含む飲料の過剰摂取
  • 運動不足による基礎代謝の低下と筋肉量の減少
  • 日常的な多量飲酒による肝細胞へのダメージ
  • 喫煙習慣による全身の血流悪化と炎症の促進
代謝機能障害(生活習慣病)との関連

SLDは、いわゆるメタボリック症候群の「肝臓版」とも言えます。体質的に脂肪がつきやすいだけでなく、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が関わっています。以下の疾患をお持ちの方は、高い確率でSLDを合併していると考えられます。

  • 肥満症(特に内臓脂肪型肥満)
  • 糖尿病または血糖値が高めの状態
  • 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の異常)
  • 高血圧症

生活習慣病の管理については、「脂質異常症」「糖尿病」「高血圧症」のページで詳しく解説しています。

その他の特殊な原因

まれに、生活習慣とは無関係に特定の原因で脂肪肝が生じることがあります。これらは「特定成因脂肪性肝疾患」と呼ばれます。

  • ステロイド薬などの特定の薬剤による副作用
  • C型肝炎ウイルスなどのウイルス感染による影響
  • 極端な食事制限や低栄養状態(低栄養性脂肪肝)
  • 遺伝的な体質や先天的な代謝異常

脂肪性肝疾患 Steatotic liver disease-SLDの病気の種類について

2023年に提唱された新しい分類では、SLDは原因や背景となる代謝異常の有無に基づいて5つのカテゴリーに分けられています。これにより、患者さん一人ひとりに適した治療アプローチを選択できるようになりました。

1. 代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)

飲酒量が少なく、かつ「心代謝系リスク因子(肥満、高血糖、高血圧、脂質異常など)」を少なくとも1つ以上持っている方の脂肪肝です。以前の「NAFLD」の大部分がここに該当します。生活習慣病との関わりが非常に強く、肝臓だけでなく心筋梗塞などの心血管疾患にも注意が必要です。

2. 代謝機能障害アルコール関連肝疾患(MetALD)

MASLDの条件を満たしつつ、中程度の飲酒習慣(週に男性210gから420g、女性140gから350gのエタノール摂取)がある場合の分類です。代謝異常とアルコールの「ダブルパンチ」で肝臓に負担がかかっている状態で、近年注目されているカテゴリーです。

3. アルコール関連肝疾患(ALD)

多量の飲酒を主な原因とする脂肪肝です。アルコールの分解過程で生じる有害物質が肝細胞を傷つけ、炎症を引き起こします。禁酒を基本とした治療が必要となります。

4. 特定成因脂肪性肝疾患(Specific aetiology SLD)

薬剤の副作用、ウイルス感染、特定の遺伝性疾患、極度の低栄養など、脂肪肝を引き起こす明確な原因が他にある場合を指します。

5. 成因不明脂肪性肝疾患(Cryptogenic SLD)

代謝異常の項目に該当せず、飲酒習慣もなく、他の原因も特定できない脂肪肝です。肝臓以外の要因を一つずつ「否定(特定の病気ではないと判断すること)」していく精密な診察が必要となります。

また、炎症を伴う進行性の状態は、MASH(代謝機能障害関連脂肪性肝炎)と呼ばれ、より厳重な管理が求められます。肝臓の状態(予後-将来的な病気の見通し)を予測するためには、単なる脂肪の蓄積だけでなく、炎症や線維化の程度を評価することが大切です。

脂肪性肝疾患 Steatotic liver disease-SLDの治療法について

SLDの治療において最も大切なのは、肝臓に溜まった脂肪を減らし、炎症を抑えることです。特効薬のような魔法の薬は今のところ存在しませんが、背景にある生活習慣や基礎疾患を的確な方法で改善することで、多くの場合、肝機能の正常化や肝細胞の回復(寛解-症状が落ち着いた状態になること)を目指せます。

食事療法:肝臓への負担を減らす

食事はSLD治療の根幹です。単にカロリーを減らすだけでなく、内容を工夫することが推奨されます。

  • 糖質、特に「果糖」を含む清涼飲料水や菓子の摂取を控える
  • 食物繊維を豊富に摂り、血糖値の急激な上昇を抑える
  • 良質なタンパク質を適量摂取し、肝臓の再生を促す
  • 夜遅い時間の食事や間食を避ける
運動療法:脂肪を効率よく燃焼させる

運動は、肝臓に蓄積した脂肪をエネルギーとして消費させるために不可欠です。

  • ウォーキングなどの有酸素運動(1日30分以上、週3回以上が目安)
  • スクワットなどのレジスタンス運動(筋肉量を増やし代謝を上げる)
  • 日常生活の中でこまめに動く習慣をつける
薬物療法:基礎疾患の治療と肝保護

生活習慣の改善が基本ですが、必要に応じてお薬を併用することもあります。

  • 糖尿病、脂質異常症、高血圧などの持病に対する治療薬の調整
  • 肝臓の炎症を抑えたり、肝細胞を保護したりする薬剤の処方
  • ビタミンEなどの抗酸化作用を期待する処方(MASHなどの場合)

当院では、無理な食事制限や運動を強いるのではなく、患者さんのライフスタイルに寄り添った、継続可能なプランを共に考えます。お仕事でお忙しい方には、オンライン診療なども活用しながら、スムーズに治療を継続できる体制を整えています。詳細については「オンライン診療について」のページもご覧ください。

脂肪性肝疾患 SLDについてのよくある質問

Q1. お酒を全く飲まないのに脂肪肝と言われました。なぜですか?

A1. それは「MASLD」というタイプかもしれません。お酒を飲まなくても、糖分や脂質の摂りすぎ、運動不足、あるいは体質的なインスリンの働きの低下によって、肝臓に脂肪が溜まってしまいます。現代の脂肪肝の多くはこのタイプです。

Q2. 脂肪肝は痩せれば必ず治りますか?

A2. 体重を現在の5パーセントから7パーセント程度減らすだけで、肝臓の脂肪は有意に減少すると報告されています。ただし、極端な絶食などはかえって肝臓を痛める可能性があるため、バランスの良い食事と運動を組み合わせることが大切です。

Q3. 血液検査の数値が正常なら、脂肪肝の心配はないでしょうか?

A3. 残念ながら、血液検査の数値(ALTなど)が正常範囲内であっても、エコー検査などで脂肪肝が見つかるケースは少なくありません。数値だけで安心せず、画像検査の結果も含めて総合的に判断する必要があります。

Q4. 放置するとどうなりますか?

A4. 一部の患者さんは、肝臓の炎症が続く「MASH」へと進行し、長い年月をかけて肝硬変や肝臓がんに至る恐れがあります。また、SLDがある方は心筋梗塞や脳卒中の発症に関連する要因(リスク因子)を抱えていることが多いため、全身疾患の予兆として捉えるべきです。

院長より

肝臓の数値は、あなたの体が発している「大切なサイン」です。千代田区麹町のグローバルヘルスケアクリニックでは、このサインを見逃さず、患者さん一人ひとりの「Patient First(患者さん第一)」を考えた誠実な医療を提供しています。院長である私は、これまで大学病院などで感染管理や専門的な内科診療に携わってまいりました。その経験を活かし、たとえ小さな診療所であっても、医療の質と安全性を徹底して確保することを診療指針の最上位に掲げています。

私たちは、単にお薬を出すだけでなく、なぜ脂肪が溜まってしまったのか、どうすれば無理なく生活を改善できるのか、内科全般において医学的根拠に基づいた的確な判断を心がけて丁寧にお伝えしています。より高度な専門検査が必要と判断した場合には、責任を持って適切な基幹病院へご紹介いたします。

「仕事が忙しくてなかなか病院に行けない」という方もご安心ください。麹町駅から徒歩1分という立地に加え、ウェブ予約やキャッシュレス決済、ウェブ問診などのスマートなシステムを導入し、皆様の貴重な時間を無駄にしないスムーズな診療体制を整えています。肝臓の悩みは、一人で抱え込まずに私たちにご相談ください。あなたの信頼されるパートナーとして、真に満足いただける医療を提供することをお約束します。千代田区の麹町、半蔵門、市ヶ谷、四ツ谷周辺で健康相談をお考えの際は、どうぞお気軽に来院してください。

当院の診療方針について詳しくお知りになりたい方は、「診療指針」のページもご覧ください。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME