食物アレルギー / アナフィラキシー Food allergy / Anaphylaxis
食物アレルギーは、特定の食べ物を口にした際に免疫システムが過剰に反応し、身体に不利益な症状が引き起こされる状態を指します。近年、お子さんから大人まで食物アレルギーに悩む方は増加傾向にあり、適切な診断と管理が求められています。千代田区麹町のグローバルヘルスケアクリニックでは、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医である院長が、科学的根拠に基づいた丁寧な診療を行っております。当院は麴町駅から徒歩1分、半蔵門駅から徒歩5分という都心の利便性を活かし、忙しい方でもスムーズに受診できる環境を整えています。深刻な事態を招く可能性があるアナフィラキシーへの備えも含め、一人ひとりのライフスタイルに合わせた治療方針をご提案いたします。また当院は食物アレルギー研究会の成人の食物アレルギー患者を診療している医療機関に登録されています。
食物アレルギーの症状について
食物アレルギーの症状は、原因となる食物を摂取してから数分から1時間以内に現れる「即時型反応」が一般的です。症状は全身のさまざまな部位に及び、その組み合わせや重症度は個人によって大きく異なります。私たちは、患者さんがどのような症状を経験されたかを詳しく伺うことで、精密な診断の足がかりとしています。
皮膚・粘膜の症状
食物アレルギーで最も頻度高く見られるのが皮膚の症状です。以下の症状が代表的です。
- 蕁麻疹(じんましん)・・皮膚が赤く盛り上がり、強い痒みを伴う。
- 湿疹・・皮膚が赤くなり、カサカサしたりジュクジュクしたりする。
- 浮腫(ふしゅ)・・まぶたや唇が急激に腫れる。
- 粘膜の違和感・・口の中や喉がイガイガする、痒くなる。
皮膚症状の詳細については「蕁麻疹」のページや「アトピー性皮膚炎」のページも併せて参照してください。
呼吸器・消化器の症状
皮膚以外の場所にも、以下のような辛い症状が現れることがあります。呼吸器症状が出た場合は、重症化のサインであることが多いため注意が必要です。
- 呼吸器症状・・咳が出る、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)、鼻水、鼻詰まり、息苦しさ。
- 消化器症状・・腹痛、吐き気、嘔吐、下痢。
- その他・・目が充血する、まぶたが腫れる、涙が出る。
アナフィラキシーとアナフィラキシーショック
複数の臓器にわたって激しい症状が短時間で現れる状態をアナフィラキシーと呼びます。さらに血圧が低下し、意識障害やぐったりした状態になることをアナフィラキシーショックといい、命に関わる非常に危険な状態です。迅速な緊急処置が必要となるため、当院では万が一に備えたアドバイスと自己注射薬の処方を行っています。
食物アレルギーの原因について
アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)は、主に食べ物に含まれるタンパク質です。日本では、鶏卵、牛乳、小麦が三大原因食物とされていますが、年齢が上がるにつれて原因となる食べ物の種類は変化していきます。私たちは患者さんの年齢や食生活に合わせた原因特定を重視しています。
乳幼児期の原因食物
小さなお子さんでは、消化機能や免疫機能が未発達なため、以下の食品が原因となりやすい傾向にあります。
- 鶏卵
- 牛乳
- 小麦
多くの場合、成長とともに消化吸収機能が整い、自然に食べられるようになる(耐性獲得)ことが期待できます。お子さんのアレルギーについては「小児科」のページもご覧ください。
学童期から成人期の原因食物
年齢を重ねると、乳幼児期とは異なるアレルゲンが原因となることが増えてきます。
- ピーナッツ、ナッツ類(クルミ、カシューナッツなど)
- 甲殻類(エビ、カニ)
- 果物類
- 魚類、そば
特にナッツ類や甲殻類によるアレルギーは、大人になっても自然に治ることが少なく、生涯にわたる慎重な管理が必要となるケースが多く見られます。
食物アレルギーの病気の種類について
食物アレルギーには、単に「食べたら痒くなる」という以外にも、特定の条件や背景によって引き起こされる特殊な病態がいくつか存在します。当院ではこれらの特殊なケースについても丁寧な鑑別を行っています。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)
特定の食物を食べただけでは症状が出ないものの、食後2時間以内に運動をすることでアナフィラキシーが誘発される病態です。中学生や高校生など、活発に活動する世代に多く見られます。原因食物としては小麦や甲殻類が代表的ですが、運動の強度だけでなく、体調や寝不足、入浴などの要素がリスク因子となって発症を後押しすることがあります。
花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)
花粉症の方が、特定の生の果物や野菜を食べたときに、口の中や唇に痒みや腫れを感じる症状です。これは花粉に含まれるアレルゲンと、果物・野菜に含まれるアレルゲンが構造的に似ているために起こる「交差反応」が原因です。加熱することでアレルゲンが壊れることが多いため、加熱済みであれば摂取可能な場合もあります。
ラテックス-フルーツ症候群
天然ゴム(ラテックス)に対してアレルギーを持つ方が、特定の果物(アボカド、バナナ、キウイ、クリなど)を食べた際にアレルギー症状を起こすことがあります。医療従事者や、ゴム手袋を頻繁に使用する方に発症しやすいことが知られており、重篤な症状を伴うこともあるため注意が必要です。
アレルギーガイドライン2021 ダイジェスト版 第14章 食物以外の抗原感作による食物アレルギー より作成
食物アレルギーの治療法について
食物アレルギーの治療の基本は、正しい診断に基づいた「必要最小限の除去」です。かつてのように「念のために何でも食べない」という考え方ではなく、食べられる範囲を的確に見極めることが生活の質(QOL)を高めるために重要です。
診断と検査:View39
原因を特定するために、当院では一度の採血で39種類の主要なアレルゲンを調べることができるView39という検査を実施しています。また、皮膚の反応を確認するプリックテストなども状況に応じて組み合わせています。
緊急時の薬剤処方:エピペンとネフィー
アナフィラキシーのリスクがある患者さんには、緊急時に備えてアドレナリン自己注射薬などの処方を行っています。
- エピペン・・太ももに押し当てることでアドレナリンを注入する自己注射薬です。当院の院長は処方登録医ですので、使用方法の指導を含めて処方が可能です。
- ネフィー・・2026年に発売された点鼻タイプのアドレナリン製剤です。注射を必要とせず、鼻にスプレーするだけで迅速に薬剤を投与できます。
これらの緊急薬は、症状を一時的に和らげるためのものであり、使用後は速やかに救急外来を受診する必要があります。救急受診のタイミングや判断基準についても診察時に丁寧にご説明します。
食事指導と環境整備
除去が必要な場合でも、加工品や調味料など、どの程度までなら許容できるかを検討します。また、乳幼児においてはスキンケアを徹底し、皮膚のバリア機能を整えることが、新しいアレルギーの発症を予防するために非常に重要であると考えられています。
よくある質問
Q1. 妊娠中に卵や牛乳を控えたほうが、赤ちゃんの食物アレルギーを防げますか?
A1. いいえ、妊娠中や授乳中にお母さんが特定の食べ物を避けることに予防効果があるという科学的根拠はありません。むしろ、お母さんの栄養バランスを損なう恐れがあるため、無理な除去は推奨されません。
Q2. 血液検査で陽性が出たら、その食べ物は一生食べられませんか?
A2. 血液検査の結果だけで食べる・食べないを判断することはありません。検査数値が陽性でも、実際に食べて症状が出なければ除去する必要はありません。逆に数値が低くても症状が出ることもあります。当院では、これまでの経過と検査結果を総合的に判断します。
Q3. 大人になってから突然エビやカニで痒くなることはありますか?
A3. はい、大人の食物アレルギーも珍しくありません。特に甲殻類や果物、ナッツ類などは大人になってから発症することが多いアレルゲンです。仕事の疲れや体調不良が重なった際に初めて症状が出ることもあります。
院長より
食物アレルギーは、日々の食卓という「当たり前の生活」に不安をもたらす疾患です。特に小さなお子さんを持つ保護者の方にとっては、何を食べさせるべきか、万が一のときにどうすべきかという悩みは尽きないことでしょう。千代田区麹町の当院では、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医・指導医としての豊富な経験に基づき、患者さんやご家族の不安を安心へと変える診療を心がけています。
私たちは「Patient First」の理念のもと、質の高い医療安全を確保しつつ、都心のクリニックならではのスマートな受診環境を提供しています。ウェブ予約やキャッシュレス決済などを導入し、お忙しい方々の貴重な時間を無駄にしないよう配慮しています。もし「これはアレルギーかな?」と少しでも不安に感じることがあれば、無理に抱え込まずに私たちにご相談ください。精密な検査と誠実な対話を通じて、あなたが安心して食事を楽しめるよう、信頼されるパートナーとして全力を尽くします。
