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6/17 第34回 臨床寄生虫学会ICD講習会 登壇 

[2023.06.16]

第34回 臨床寄生虫学会 ICD講習会(宮崎市・宮崎市民プラザ)において、講演「渡航医学における感染対策」を行いました。抄録は以下の通りです。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生から3年が経過し、2023年5月より感染症法の位置づけが5類感染症に移行した。出入国制限の緩和も進み、日常診療の現場では徐々にではあるものの日本人海外渡航者(アウトバウンド)および外国人旅行者(インバウンド)が増加している印象である。渡航医学における感染対策は感染症流行地に渡航する前に行うワクチン接種(トラベラーズワクチン)や予防内服、帰国した後に体調不良などを訴えて受診した患者を診療する際の初期対応で求められる。トラベラーズワクチンの選択には、渡航先・渡航期間・渡航目的などを考慮し、滞在先での感染症流行状況を鑑みたうえで優先順位を付けて情報提供する。マラリアや高山病対策としては予防内服を考慮する。海外から帰国した患者の診療においても同様に渡航先・渡航期間・渡航目的を主たる問診項目として潜伏期間を踏まえたうえで可能性のある感染症を鑑別として挙げていく。海外渡航者および外国人診療といえども初療における感染対策の基本は標準予防策であり、随伴する症状によって感染経路別予防策を施すことは日常診療における感染対策と大きく相違はない。感染症法に位置づけられる感染症の疑いがあれば、その時点で専門医療機関への相談を行うことが望ましく、自身で診断を下したならば発生届の提出も行わなければならない。

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