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5/21 予防接種推進専門協議会より「百日咳流行に伴うワクチン接種に関するお願い」

[2025.05.22]

現在、全国的に百日咳の流行が拡大しており、乳児を中心に死亡例を含む重症例が報告されています。更に薬剤耐性の問題もあり、有効な治療手段が限られる中、各学会から、百日せき含有ワクチンの接種を改めて推奨する提言がなされています1,2,3。小児に対しては、定期接種である生後2か月からの5種混合ワクチン(DPT-IPV/Hib)に加え、就学前児への三種混合ワクチン(DPT)の追加接種や、11~12歳児に対する二種混合ワクチン(DT)接種の代替としてのDPT任意接種が推奨されています。さらに、妊婦に対するDPT接種は、移行抗体により生後2か月未満の乳児を百日咳から守る有効な手段として紹介されています。こうした状況を受け、DPTの接種希望者が急増し、2025年4月以降の需要は平時の約5倍に達し、供給量を大幅に上回る状況となっています。製薬メーカーによる供給は、従来の需要に見合った水準を維持しているものの急速な増産は困難であり、2025年5月より限定出荷の措置が講じられています4。このようなDPTの供給が制限されている中では、重症化リスクの高い早期乳児への感染を防ぐための接種を最優先とし、次いで乳児と頻回に接触する感受性者への接種を優先する必要があります。つきましては、当協議会として以下の対応を推奨いたします。
1. 定期接種対象である乳児に対して、生後2か月から遅滞なく5種混合ワクチンを確実に接種すること。
2. 妊婦がDPT接種を希望する場合には、地域内での供給調整を図ること。
3. 就学前の幼児、学童、医療関係者等へのDPT追加接種については、新生児や早期乳児との接触頻度の高い者を優先対象とし、地域の供給状況を踏まえて段階的に実施を検討すること。

参考資料
1.日本小児科学会 百日咳患者数の増加およびマクロライド耐性株の分離頻度増加に
ついて(2025年3月29日)https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20250402_hyakunitizeki1.pdf
2. 日本産科婦人科学会 乳児の百日咳予防を目的とした百日咳ワクチンの母子免疫と医療従事者への接種について(2025 年 4 月 25 日)https://www.jsog.or.jp/news/pdf/infection07.pdf
3. 日本周産期・新⽣児医学会 百日咳の流行とマクロライド耐性株への注意喚起(2025 年 5 月 9 日)https://www.jspnm.jp/uploads/files/memberinfo/hyaku202505.pdf
4. 田辺三菱製薬株式会社 沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチントリビック限定出荷について(2025 年 5 月)https://medical.mt-pharma.co.jp/di/file/info/ifn_5630_P20529.pdf

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